都会のマンション暮らしだと、どうしても手狭になります。
— 山本和彦 (@kazu_yamamoto) 2020年4月12日
多くの人がそう感じていると思いますが、リモートワークするには一部屋足りません。
(二部屋かも。)
ウチは6人家族なので、コロナ禍での在宅勤務は本当に手狭です。最終的には、あまり人の来ない寝室の敷布団の上に座って壁に寄りかかり、MacBook Proを膝に置いてプログラミングをしていました。
会社では標準的なオフィスチェアに座り、iMacの広い画面を見ながら、Happy Hacking Keyboard(HHKB)を2枚使って腕を肩幅に開いて快適に作業していました。布団に座っているのだと腰は痛くなるし、キーボード1枚では肩はこるし、仕様書を見ながらプログラミングするにはMacBook Proの画面は小さくて苦しいしで、「なんとかならないかなぁ」という状況でした。
最近、嫁が家を片付けて不要な物を捨ててくれたんですが、ふと見ると幅80cm可変棚の下にスペースができてるではありませんか。このスペースを仕事場としてもらって、遅ればせながら仕事の環境を整えることにしました。既存の持ち物をできるだけ利用して作った仕事環境の最終形はこんな感じです。
誰かの役に立つかもしれないので、備忘録も兼ねて、何を考えて環境を整えたのか記しておきます。
机
捨てようと思っていたIKEAの机を再利用することにしました。幅が110cmぐらいあるので、80cmに切断します。右側の引き出しは全部諦めて、天板をノコギリで切ってみるとスカスカで、拍子抜けがする程あっという間に切れました。
ディスプレイ
次はなんといってもディスプレイです。大きさは、幅が61cmの27インチが丁度よさそうで、解像度はWQHD(2560x1440)で十分かなぁと思いました。いろいろ記事を読んでいると、最近だとUSBのType-Cケーブル一本で結ぶだけで、ノートブックに給電までできることを知りました。そんなとき、『EIZO「FlexScan EV2795」で理想を超える仕事環境が! ケーブル1本のデュアルディスプレイからパソコン3台の集約も』という記事を見付けて感動し、FlexScan EV2795の黒を買うことにしました。
僕のEV2795には以下のケーブルが刺さっています。
- 付属の電源ケーブル(3ピン)
- イーサネットケーブル (RJ45)
- MacBook Pro を繋ぐ付属の Type-C
- キーボードの USB Type-A x 2
- モニターライトのUSB Type-A (給電)
MacBook Proには、これらの(モニターライトを除いた)全ての情報/電力がType-Cから供給されます。EV2795には概ね満足していますが、Retinaディスプレイに慣れている目からすると、荒いドットが見えたりしてがっかりします。あと、前面下にあるソフトスイッチは、暗いときにも分かるように少し光って欲しかったです。
追記:Type-Cにはアップストリームとダウンストリームの2つがあります。パソコンはアップストリームに繋ぎます。マニュアルには、ダウンストリームは別のEV2795をデイジーチェインで繋ぐため用と書かれています。しかし、単に給電にも使えました。マニュアルにもそう明記してあるべきですね。どなたか、PDに対応しているかチェッカーで調べていただきたいです。
ディスプレイ台
EV2795のスタンドはよくできているんですが、僕はディスプレイの中心を机から50cmぐらいにもってきたいので、高さがあと10cmぐらい足りません。そこで、モニターアームを調べてみました。ヨドバシで実際に触ってみると、50cmも持ち上げられないことに気づきました。モニターアームは、モニターを頻繁に動かす人には便利ですが、そもそも僕は動かさないので本当に必要なのか分からなくなっていました。そんなとき、「モニターアームを使って気づいたメリット・デメリット。モニターアームの選び方。」という記事を見付け、高級なディスプレイのスタンドがあればモニターを好きな位置や角度に固定できるのでモニターアームは不要という意見を聞いて納得しました。
結局10cmぐらい持ち上げられればいいので、ディスプレイ台で十分という結論に達し、BoYataのモニタースタンドを購入しました。これだと、書類を書くときにキーボードをモニタースタンドの下に押し込むことができて快適です。また、後から出てきますが、スタンドをクリップを挟む場所としても使えます。
キーボード
とりあえず、Happy Hacking Keybordの2枚利用を継続しました。Windowsは標準で2枚のキーボードに対応していますが、MacだとKarabiner-Elementsをインストールする必要があります。
机の上にケーブルが2つあるのは邪魔です。とりあえず、USB miniBのL字コネクタを買い、2つのケーブルを見栄えよく中央でまとめられるようにしました。買った左右のL字コネクタは、「変換名人」のUSBM5-LLFとUSBM5-RLFです。amazonでは1個で販売してないので、ヨドバシで買うのがいいと思います。
やっぱり机を広くするにはワイヤレスの分割キーボードが必要です。いろいろ調べたのですが、よさそうなのは自作キーボードしかありませんでした。子育てが忙しいので、ハンダ付けは勘弁して欲しいです。Mistel BAROCCO MD770にワイヤレスタイプがあるらしく、ヨドバシでワイヤレスではないMD770を触ってみましたが、どの色の軸も手に馴染みませんでした。メカニカルキーボードは自分には合わないと分かったとき急激にキーボード熱が冷め、結局HHKB 2枚が一番いいという結論に落ち着きました。
キーボードに関しては、『 疲れないキーボードを知りたい。タイピング早打ち日本一の「女王」miriさんに聞いてみた』という記事が入門としては秀逸です。
2つのケーブルをまとめるのには、ルフラップスリーブ(内径8mm)を使いました。
キートップ引き抜き工具を買ったら、娘が面白がってやってキーボードを掃除してくれました。次の目標は、黄ばんだHHKBを流行りのホワイトニングで白くすることです。
マウス
こだわりがなくワイヤレスならなんでもいいので、その辺にあったAppleのMagic Mouseを使っています。
充電用のLightningの穴が下にあり、充電中は利用できないのは有名な話ですね。
僕はタイピングのときに、手のひらの付け根を机に置いています。机と接触する部分は汗ばんでくるので、これをなんとかしたく、80cmのマウスパッドを買いました。
パソコン立て
MacBook Proは閉じた状態、いわゆるクラムシェルモードで使っています。クラムシェルモードでは、熱を逃すために縦置きにした方がいいようです。僕の環境では机が狭いので必然的に立てることになりますが、左右に壁があるのでそれに立て掛ければ十分です。でも、ヨドバシでTwelve SouthのBookArcを見て欲しくなってしまったのです。
「単なるアルミに6,800円も払えるか!」と葛藤して、ついにかっこよくて安い「AVLTのノートパソコン縦置きスタンドホルダー」を見付けて買いました(現在、amazonでは売ってないようです)。娘には「こんなのが2,300円もするの?」と言われました。
MacBook Proを壁に寄せるにはType-CのL字コネクタも必要です。Type-Cだと左右がないのがいいですね。僕はカモンのUC-Lを買いました。ちょっときつめです。
モニターライト
FlexScan EV2795の背中は丸みを帯びているので、モニターライトは設置できるか慎重に選ばないといけません。結局、元祖であるBenQ ScreenBarにしようかなぁと思っていたときに、Exarm Zetaの存在を知りました。高いけれどライト専門の会社だし、日本の会社でサポートもしっかりしていそうなので、これを買いました。
いろんな記事に、暗い部屋でディスプレイだけ付けていると目が疲れるという意見が書かれていました。僕は気にしてなかったのですが、確かにモニターライトが机を照らし、反射光がディスプレイの後ろの壁を照らして全体的に明るいと、目が疲れにくい気がします。
届いたときは軸がずれていて、どうやっても向かって右側が下に傾いていました。スワン電器のサポートからは、着払いで送ってくれれば調整するとのことだったので、さっそくお世話になりました。やはり、日本の会社にしておいてよかったです。
FlexScan EV2795には、下側に主電源があり、前面下にソフトスイッチがあります。ソフトスイッチを消すと画面が消えると共にUSBの給電が止まるので、モニターライトが消えます。逆にソフトスイッチを入れると給電が始まりますが、Exarm Zetaは横の飾りのライトが付くだけです。メインのライトを付けるには、センサーに手をかざす必要があります。
僕の環境のようにExarm Zetaのすぐ上に白い棚があると、ここにiPhoneの光が反射して、メインのライトが付いたり消えたりと誤動作します。まぁ、これは仕様なので仕方ないですね。僕にはセンサーのスイッチ機能は不要でした。
リモート会議環境
リモート会議に関してまず気になるのが、マイクとスピーカーです。いろんなパターンを試しましたが、iPhoneに付いてくるマイク付きのイヤホンをMacBook Proに挿して使うことにしました。これだとハウリングしません。
Webカメラを買うのはもったいないので、EpocCamを購入してiPhoneをWebカメラにしました。結局、iPhoneのマイクは使わないことになったので、無償版の方でも十分だった思います。
Exarm Zetaには顔用のライトが付いていますが、これだと光量が足りません。iPhoneのホルダーも付いているリングライトを買うことにました。ヨドバシに置いてあったエレコムのモニターライトが腕がしっかりしていてよさそうでした。クリップタイプを買って、モニター台にクリップ止めしています。厚みが足らなかったので、黒く塗った板をクリップに挟んでいます。
電源タップ
電源タップは不要といえば不要だったのですが、配線をスッキリさせるために以下を満たすものを探しました。
- ディスプレイの3ピンプラグが刺さること
- 口の数は、余裕を持って3つあること
- Type-A で給電できること
- PD 対応の Type-C の口があること
これを満たすのは Anker PowerPort Strip PD 3 でした。amazonでは、「給電できなくなる」という悪い評判が立っていましたが、Ankerなので買ってみました。今のところ、iPhoneが急速充電できています。
「【レビュー】Anker『PowerPort Strip PD 3』:机固定に最適なUSB-C搭載マルチ電源タップ」を読むと、Type-C の PD は若干仕様に準じていないようです。自分で作った規格ぐらい準拠しましょうよ、Anker さん
スイングプラグではないので、アダプターも必要です。
椅子
ゲーミングチェアが欲しかったので、ニトリにもあると聞いて行ってみました。ゲーミングチェアに座ると、なるほど柔らかくて長く座っていられそうですが、腰はパッドで単に押されているだけで楽には感じませんでした。隣にあった、デュオレハイは不恰好でなんじゃこれって感じだったのですが、試しに座ってみると衝撃を受けました。腰を持ち上げてくれ、重力が弱くなった感じで、とっても楽なんです。ニトリの商品には、デュオレハイ 2とデュオレハイ DXがあります。
デュオレハイ2:
- 皮
- 肘の部分が固定
- 首が高くならない
- 平日だと送料がかからない
デュオレハイ DX:
- ポリエステル
- 肘の高さが調整できる
- 首が高くなる
- 平日でも送料がかかる
僕は身長が182cmあるので、デュオレハイ DX一択でした。本当は皮がよかったんですが。。。しばらく使っていますが、本当に腰が楽です。
昇降デスク (野望)
もし、もう少し広いスペースがあれば、昇降デスクが欲しいです。重いものを乗せないのでシングルモーターでよく、コストパフォーマンス的にはMAIDESITEの昇降デスクがよさそうです。天板は厚み2.5cmの一枚板です。注目していたら、ここ1ヶ月で高評価のレビューがたくさん付くようになりましたね。タイムセールで安く買えるときもあります。110cmの黒色が出れば最高なんですが。サポートが気になるので、レビューを見守りたいと思います。
所感
- 幅80cmのスペースがあれば、なんとかなる
- キーボードと椅子だけは、実際に触ったり座ったりしてから買いましょう